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アマポーラ(アルフォンソ・オーティス・ティラーゾ)
韓国旅行へ行こうと言い出したのはその時すでに母と離婚して、とっくにもう同じ家族とは言えない雰囲気をかもしだしていた父だ。わたしはこれは厄介なことに巻き込まれるんじゃないかな、と薄々勘づいていたが別れた両親が一緒に旅行に行こうと言っているのを放置することは出来なかった。
出来なかった。わたしはいつも選択に余地がなかった。旅行会社の人からはお定まりの電話が掛かってくる。あのお、お父さん、費用の方まだ納めてくれませんけど…。わたしは父を恫喝するのだ。父は素直になった。うん、だから!いくよ、わたしも。
まさかのまさかだが、両親はそれが初めての韓国旅行であった。まさかもトサカも我々家族はほんの10年前に帰化したばかりだ。だったらハワイかグアムにでも行けばいいのに、とわたしは思ったが、そこはやはり韓国なのだという。そんなときの両親は優等生ぶった顔つきだ。