解離性同一性障害の当事者の記録

主観的な、DID患者としての日々の徒然です

芸術療法〜(20)固める

ニョッキを作る。大雑把に分けて北イタリアのニョッキはチーズソースで南の方のニョッキはトマトソースだと覚えているが、トマトがないのでチーズソースのニョッキを作る。

ニョッキは固める。蒸してほぐしたジャガイモ2個に小麦粉をカップ1ほど。塩を少々。はじめはスプーンで、混ざったら両手で。ジャガイモがまだ暖かくてなんだか泣きそうになる。

わたしのニョッキは材料はこれだけである。水や卵は入れない。入れてもいいと思っているがニョッキを作ろうと思うときにはたいてい卵が無いのだ。ギュウと力を入れて白い塊を固める。

あれほど固めたはずのニョッキなのに茹でて食べるとびっくりするほど柔らかくてふわふわしている。だから'固める'ではなく'まとめる'なのかと思うけれどいや違う'固める'なのである。

固めたいのだ。脳内を固めたいのだ。わたしの忌まわしい脳内を白く好ましく柔らかな固まりにしたいのだ。そしてニョッキは食べてみないと解らない。そういう者にわたしは成りたいのである。