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解離性同一性障害の当事者の記録

主観的な、DID患者としての日々の徒然です

芸術療法〜(10)律動

リズムという言葉は軽い。リズムでは良いと悪いとのどちらかになりますでしょう。良いか悪いかを見極めんとし、長いあいだわたしは目を凝らして物を見、耳をすましてじっと潜んでいた。

わたしは自分が見えている共同世界に含まれているとばかり思いこみ、わたしは外からのパルスを受け続けた。無防備に受け続ける。たとえしたたか打ち叩くようであっても、ときには長い時間虚空に晒されようともだ。そのようにしてやってくる外のリズムを取り込んだ。

とんとんとパルスを受け続ける。とんとんと萎縮と緊張は反復した。わたしは硬化した。厚い壁の中で次第に誰かの声は遠く細くなり、瞳の温かみも歪んで見えてはいたけれど、わたしはわたしを強い力で安定させていた。それがわたしの心の圧力壁であった。

ですからわたしは良いリズムを出せません。時々わたしは歌います。わたしは何かを発します。それはリズムとは言えないのかもしれないですが、わたしはそうやって生きてきたのです。一拍遅れの不細工なリズムで、人を驚かす怪奇で過剰な律動の連なりで今日まで生きながらえて来たのです。